2019.06.29 10:27Vol.37「ばあばの死 後編」告別式の最中からじいじは急にふらつくようになり徐々に支えないと歩けないようになっていました。斎場で出された珈琲を飲むときスティックシュガーでかき回そうとしたり、親戚の方々が集まる葬儀後の食事会なども「オレは行かない!」と子供のように駄々をこねて大変でした。アルツハイマーで軽い脳梗塞を起こすと認知症が一気に進んだような症状になることが後にわかるのでした。
2019.06.26 00:38Vol.36「ばあばの死 前編」癌を発症し一年半2008年3月、家族が見守る中ばあばは息をひきとりました。そして桜が満開に咲き誇るばあばの葬儀の日から明らかにじいじの様子がおかしくなりました。後編に続く
2019.06.23 06:09Vol.35「血液型」ばあばが入院し延命治療をどうするか?を家族で話し合う時などは「延命治療は一切したくない」というばあば本人の希望に添うべきだと一番冷静な意見を述べていたのはじいじでした。そして入院してわずか十日後静かに息をひきとりました。
2019.06.20 01:30Vol.34「ばあば最後の入院」癌末期、自宅療養していたばあばでしたが…腫瘍でお腹がパンパンに膨らみ心臓も時々バクバクするし、動くのがしんどくなってきたと言うので病院へ行く事にしました。そしてそのまま入院になりました。その時初めて余命を告げられました。
2019.06.16 22:34Vol.33「連れて行って」その頃ばあばは自分が死んだ後の身辺整理にいそしんでいました。ありがたくも複雑な心境のオカメママでした。死に行く人に言ってはいけないとわかっていても、壊れていくじいじをこれから一人で看なければならなくなる…思わず言ってしまった言葉に自分の弱さ情けなさを思い知るのでした。
2019.06.14 00:27Vol.32「葬儀の手配」まだ身体が動けるうちにと葬儀屋さんを呼んで自分の葬儀の手配をバシバシ決めていき、全て済ませるばあばでした。花や香典返しを選ぶ様は楽しそうでまるで結婚式の引き出物を選んでいるかのようでした。ばあばは自分の事よりも後に遺すじいじのことをそしてその介護をするオカメママをひたすら案じていたのでした。
2019.06.11 00:42Vol.31「お弁当紛失事件」その頃ばあばの容態が悪く病院を行ったり来たりだったので夕飯の早いじいじのために試しにお弁当の宅配サービスを頼んでみました。ところが夕方宅配のお弁当を受け取ったじいじがそれをどこかにしまい込んでしまい、本人に聞いても受け取ったことすら忘れています。大捜索して一時間…納戸の新聞紙の下から見つかりました。じいじが一人の時宅配や出前を頼むのは無理だということがわかりました。それ以来薬や鍵、判子など大事なものは預かる事にしました。
2019.06.07 23:32Vol.30「戻って来ない 後編」トイレを探しても見当たらないのでまさか家に戻ったのでは?と思ったその時「じいじが病室にいるわ!」とばあばが呼びに来ました。話し合いの途中に中座したのに何を話してたかすら覚えていないようでした。今後は大事な話し合いにはもうじいじは同席させない方が良いと思ったのでした。
2019.06.06 00:04Vol.29「戻って来ない 前編」じいじが一人で病院へ行かれなくなったので一緒に行くようにしました。そんなある日主治医から「丁度ご家族も揃っておいでだから」と大事な話があると面談室に集められました。今後の治療は無く緩和ケアのある病院への転院を薦められるなど非常にシビアなものでした。席を外したじいじが一向に戻って来ないので気になって大事なお話の内容も頭に入って来ないのでした。 後編に続く
2019.06.03 22:19Vol.28「病院へ行かれなくなる」その日もじいじはお見舞いに出かけましたが一時間後「じいじが来ない」と心配するばあばから連絡がありました。玄関を見るとばあばに頼まれたものまで忘れて置いてありました。結局病院には現れず、夕方になり帰宅…ついに何度となく通い慣れた病院へ行かれなくなってしまいました。家にたどりついただけでも良かったのかもしれません。
2019.05.31 23:16Vol.27「メンチカツ」昭和一桁世代のじいじ…家族から頼まれる買い物もデパートのお惣菜なら大丈夫でしたが…最初は間違えて買ってきてしまったのか?と思ったら違いました。たとえ大好物でも一個百円のコロッケを買うのは恥ずかしいのです…プライドだけは山より高くなっていくじいじです。